ついにこのブログもグランドフィナーレの時が近づいてきました。長いようで短い時間でしたが、思い出を一杯残すことができました。みなさま、どうもありがとうございました。
さて、フィナーレを飾るにふさわしいお題は、これまで見た滝ベスト10です。なかなか選ぶのは難しかったですね。今回ベスト10に入った滝達は、その素晴らしさが選ぶ基準にもちろんなっているんですが、それ以上に「思い出補正」が強く入っていると思います。滝そのものとしてはベスト10に入るほどではないんじゃないか? と思える滝でも、自分が苦労してやっと出会えた滝などは、ここに入ってくるのです。人にはそれぞれ好きな滝があるでしょう。なので、このベスト10はあくまで私のベスト10であって、他の人には、それぞれのベスト10があるわけです。みなさんも機会があれば、マイベスト10を作ってみてください。きっと素晴らしいものになると思います。
(10) 百間滝
先日噴火して多大な被害が出てしまった、御嶽山のふもとにおちる秘瀑。長野県側ですが、岐阜県の濁河温泉から入った方が楽でしょう。現在は立入禁止区域から外れているとは思いますが、もし行かれる場合は十分な注意が必要でしょう。
この滝の素晴らしい所は、その滝の流れにあります。落差が70mもあるのに、滝の真下にいてもやさしく接してくれます。今まで行った中でも、滝壺の心地よさはトップクラスでした。
(9) 三条の滝
言わずと知れた尾瀬の名瀑にして、水量日本一と言われる滝です。この滝がベスト10に入った理由としては、やはり滝壺に行く事ができたことが大きいでしょう。水量は比較的少ない秋に訪れたのですが、滝壺では頭上から落ちてくる水塊に恐怖を覚えるほどでした。きっと5月の融雪期だと、瀑風で吹き飛ばされてしまうのではないでしょうか。
(8) 安の滝
しばらくこの滝へは行っていませんが、思い出してもやはり素晴らしい滝だと思います。通常の優雅さ、増水時の迫力、何度行っても同じ姿ではない、常に新鮮な気持ちで見られる滝です。誰でも行けますが、過度に観光開発されているわけでもなく、環境が保たれている点も素晴らしいですね。
(7) 白滝(日暮らしの滝)
青森県の白神山地の最奥にかかる、本当に秘境の滝です。たしかに滝としての素晴らしさもあるのですが、私がここに選んだ理由は、今まで訪れた滝の中で最も苦労した滝だからです。滑落して負傷という痛い目にもあいました。目をつむれば、滝姿はもとより、その行程の全てを思い出すことができます。車で簡単に行ける滝の中には、この滝より素晴らしい滝はいくらでもあります。しかし、やはり私にとって一番大事なのは、苦労した思い出なのです。
(6) 布引滝
日本に数ある布引滝の中で、ここに選んだのは日光市の布引滝です。遊歩道は途中までの整備でストップ。滝壺へ行くには険しい道なき道を辿らなければ行けません。この滝は段瀑としての良い所を全て持っている点が高評価です。つまり、滝壺へ行っても全ての段が見える、直下まで行ける、遠望でそのスケールを楽しめる場所がある…などなどです。無数にある日光の滝の中でもトップクラスのこの滝を、ベスト10から外すわけにはいきませんでした。
(5) 八町滝
たくさんの名瀑を抱えている紀伊半島。その中でもこの滝は特殊です。海岸からよく見えるのに、滝壺へは日帰りで行く事ができないのですから。そして個人的にこの滝をベスト10に入れた一番の理由は、過去に記録のない尾根コースで滝壺へ挑み、成功したことが思い出として強く残っているからです。それまでこの滝を訪れた記録は、どれも危険な沢登りルートでのものでした。しかし、ザイルなしでも辿り着ける尾根ルートを開拓できたことは、個人的にとても嬉しかったのです。そしてこれ以来、あちこちの滝を沢ルートではなく尾根ルートで目指すことになったのです。
(4) 迷滝
個人的に分岐瀑ナンバーワンの滝がこの迷滝です。落差が大きいにもかかわらず、滝壺で見せてくれるのはやさしい流れ。それでいてとても雄大。そして滝壺で何時間でも過ごしたくなる、それがこの滝の魅力です。迫力のある滝を求める人には、それほどの魅力はないかもしれません。しかし、個人的には、滝に触れ、滝の懐深く抱かれるような暖かみを感じることができる、この滝が大好きなのです。
(3) 岩屋谷雄滝
紀伊半島の滝が続きますが、それだけこの地域には素晴らしい滝が多いと言う事なのです。その中でもこの滝は、有数の落差と規模を誇る名瀑です。ただし、辿り着くのは1日がかりとなるのですが、それだけ苦労しても絶対に訪れるべき滝の一つといえます。岩屋滝滝は、上流の雄滝と下流の雌滝をあわせた総称です。雄滝の130mには及びませんが、雌滝の方も落差70mの直瀑で、その上裏見の滝という超個性的な滝です。時間があれば、ぜひ両方の滝をあわせて見ていただきたいと思います。
(2) 小木森滝
とてもとても大きな滝。この滝を語るのはその一言に尽きます。そして、滝壺に辿り着くには、危険と苦労がとてもとても必要です。その滝壺から見ると、遙か頭上の落ち口から迸る瀑水が、岩盤に当たりながら大迫力で流れ下り、深い滝壺への飲み込まれていく。滝としてはごく当たり前のことだけれど、その当たり前のことが「すごい!」と思えるのがこの滝です。とか書いてみますが、文章で魅力を表すなんて所詮は無理なこと。この滝の魅力は、実際に訪れた人にしか、わからないかもしれません。
(1) 百四丈滝
私にとって、これからも滝のベスト1で居続けるのがこの百四丈滝です。20年以上も憧れ続け、苦労して辿り着いた日本一の直瀑、そして日本一の裏見滝。これ以上、何を望むことがあるでしょうか。いいえありません。少なくとも私にとっては、これ以上に望む物はありません。私の滝人生の中で、この滝に出会えたことが一番のしあわせです。この滝を目にしたとき、滝が好きで本当に良かったと思いました。百四丈滝には心からの感謝を送りたい、「出会えて良かった。ほんとうにありがとう!」と。
さて、このベスト10は、あくまでも今までに訪れた中でのベスト10にすぎません。このブログは一旦休止しますが、私たちの滝巡りが終わるわけではありません。またいつの日か、新しいベスト10を作り、みなさまのお目にかける日が来ることを楽しみに、これからの日々を過ごしていきたいと思います!
このブログの記事も残り僅かとなりますが、最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
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