実は3つ以上ある日本三大名瀑(瀑布)
現在、一般的に日本三大名瀑といえば「那智の滝」「華厳の滝」「袋田の滝」のことを言う。このうち「那智の滝」は昔から常に日本一と言われてきた名瀑。滝そのものも「飛瀧神社」のご神体として信仰の対象とされている。次の「華厳の滝」も観光地日光を代表する景観で、落差、滝姿共に名瀑と言うにふさわしいもの。海外では一番知名度の高い日本の滝かもしれない。
で、残った「袋田の滝」なのだが、滝の規模はともかく、他の二つに比べると著しく知名度が低い。 関東ではそこそこ有名だが、他の地方に行くと「袋田の滝?どこですかそれ?」…である。
そもそもこの三大名瀑、いつ誰が決めたのかよくわからない。那智と華厳は不動不変だが、残りの一つは地方によって様々な滝に入れ替るのである。それでは北から順に見てみよう。
「秋保大滝」
宮城県にある古くからの名瀑。常に袋田の滝と三つ目の座を争ってきた滝で、一昔前の本ではこちらを三大名瀑の一つとしているものもあるほどだ。今でも東北地方ではこの滝を入れることも多い。
「白糸の滝」
静岡県の富士山麓にある滝。知名度では華厳の次に有名かもしれない。この滝が三つ目に入ることもあるようである。
「安倍の大滝」
静岡県にある滝で別名「駿河大滝」。あくまでも駿河の国で一番大きな滝という事だろう。しかし看板に三大名瀑の一つと記されていた時代もあった。
「称名の滝」
落差350m。富山県にある、正真正銘日本一の大瀑布。この滝が三つ目なのが一番妥当な気もするが、あまり宣伝はしていないようである。
「白水の滝」
岐阜県の白山にある落差72mの滝。見事な直瀑で、今でも地元では三大名瀑の一つに数えているという。しかしこの滝、上流に完成した大白川ダムにより水量を調節され、観光シーズン以外は落水を止められてしまうという半人工滝になってしまった。そのせいでこれだけ立派な滝でありながら、日本の滝百選にさえ入っていないのである。
というわけで、袋田のかわりの候補を見てきたわけだが、どうももう一押し足りない感じがするのである。ちなみに袋田の滝は「日本の滝百選」ではハガキの得票トップ。昭和2年開催の「新日本8景」でも、選ばれたのは選者の判断で華厳だったが、得票はトップだった。そういう理由もあって日本三大名瀑に名を連ねているのだと思われる。
「那智の滝」「華厳の滝」「袋田の滝」。実際、どの滝も大きく立派なのは間違いないのだし、意見を言い出したらきりがない。とりあえず、日本三大名瀑はこれでいいのではないだろうか。
(1号☆森本)
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